私は4週間に一度は不動湯の硯水不動尊という所で湧水を汲みに山中湖周辺に行っています。
中央自動車道河口湖インターチェンジから車で約20分ほど走り富士吉田の市内から大明見方面へ向かいます。 ちょうど杓子山の中腹に位置する秘境の湯治場です。 この湧水は私の自宅、会社でも使っておりここで一度に取水する量はおおむね100リットル程度です。私は以前は自分が飲む飲料水についてはさほど意識しないで飲んでいました。
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不動湯の建物全景
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硯水不動尊
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でも中年にさしかかったのでしょうか、4〜5年前から突然肌の痒みや吹出物などに悩まされ、病院にも通院しましたがなかなか回復しませんでした。 そんな折知人から杓子山のふもとに有名な湯治場があって、その水を汲みに行く人が絶えないとのこと、そこの湧水は「奇跡の水」と言われていて地方からも湯治で治療する人などもいて皮膚病にとても効果がある水だと聞いているので一度行ってみたらどうかとの誘いを受けて早速行きました。
不動湯の湧水は源頼朝が富士の巻き狩りの際にここの清水に矢立の筆をひたして妻の政子に便りを書いて送ったという言い伝えがあり「硯水不動尊」と呼ばれる様になったと伝えられています。
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古くからここの湧水は万病に効く霊水であると言い伝えられ大切に守られてきました。 今から100年ほど前に湯治施設として開湯され、この地方では一番古い湯治場として利用されています。
疲労回復はもちろん特にかぶれ、やけど、イボなどの皮膚病への効果は抜群だと評判です。 戦後に山梨県で染色業に携わった多くの人が染色助剤によって皮膚病にかかり難儀した事件があったそうですが医者からも匙を投げられた患者さんの多くがここで治療、完治したそうです。 それから奇跡の湯として多くの人に知られるようになったそうです。 昭和48年に当時の財産区、連合自治会の人々の大きな努力によって改築されて公営の施設「不動湯」として現在の形になりました。
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硯水不動尊の水場
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不動湯から富士山方向を望む
不動湯の建設記念碑 |
近年はアトピー性皮膚炎に効果があるということでテレビや雑誌でも紹介、近県の人や遠くは関西からも湯治で訪れる人も多いと聞いています。
また杓子山登山コースの途中にあるので、登山客の日帰り入浴なども利用できます。 また行くと必ずこの霊水を求めてくる人が毎日列をなして並んでいます。 色は無色透明で無味無臭、マイルドな味で長期間保管しても腐らない等の言い伝えがあります。
私も水を汲んでいますが1ヵ月ほど保管しても腐ることはありません。
場所はちょっと分かりづらい所に有り畑を抜け、田を抜け、車のすれ違いも困難な細い急な一本道の山道を登って行くとその先に見えてくる、ほんとに小さな湯治場です。 客室からは手前の山の向こうに富士山がちょこっと顔を出して見えます。 素泊まりのお客さんも多く、自炊しながら治療しているお客さんもいます。
食堂では、家庭的なお食事を堪能でき、休憩場などもあります。 浴槽は男女別と一般浴室・皮膚病の治療専門浴室となっており、湯船はぬる湯とあつ湯の2つで数分づつ交互に入ると効果的とのことです。
今年5月に入館したところ、入浴料が600円から800円に値上がっていました。 近年のガソリンの高騰によりこの霊水を沸かすのに重油代がかさむとのこと、いきなり200円の値上げでショックですが機会があれば是非訪れてみてください。 |
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2007.06.22配信 |