神代植物公園正門

　現存する光が丘公園や砧公園などもそうですが当時は東京空襲に備えて一般市民の運動休養のための公園とあわせて高射砲や聴音機、気球などの陣地に使用する公園だったのです。 ここ神代植物公園もその一つでした。
　 植物公園の正門から深大寺門を抜け深大寺へ。
　深大寺（733年）は浅草の浅草寺（628年）に次ぐ都内で第二の古刹で、お寺を囲むように今でも豊かな湧水がこんこんと涌き出ています。　このお寺は満功上人（まんくう）によって創建されたそうですが、深大寺に伝わる「縁起絵巻」によると深大寺を開いた満功上人の父親である福満（ふくまん）という人は朝鮮系の渡来人ではないかと言われています。

　絵巻によると満功上人の父福満とある豪族の美しい娘が恋に落ちました。　福満という人は「何れの生まれの者とも知らず」としか書いてないそうですが、娘の両親は猛反対、二人は仲を裂かれて娘は湖の小島に隔離されてしまいます。
　そこで福満は深沙大王に祈願したところ霊亀が現れ、彼を湖の小島へ連れて行きました。　このことを知って娘の両親も二人の仲を許し、生まれたのが満功上人です。　満功上人は父の深沙大王を祀ってほしいと出家、法相宗を学び寺を建てました。　それが深大寺であると縁起は伝えています。

深大寺本堂

　そんな恋物語により深大寺は縁結びの寺としても有名になっています。　昔から武蔵野という地域は、高句麗系の渡来人が多かった地域です。　深大寺のある調布市の隣に狛江市がありますが、この狛は高句麗、高麗から来ていると伝えられています。
　深大寺の檀家さんにも「高麗」という姓を代々継いでいる一族がいるそうです。　そして深大寺そば。　そば種もやはり８世紀頃、原産地である北方大陸から朝鮮半島を経由して日本に伝わりました。 　武蔵野台地を開拓した高麗人によって栽培され、今では郷土の名物として食されています。