江戸時代井の頭池の水はここを水源として神田上水を通って江戸住民の水道水として使われました。
昭和30年代まで井の頭池はこの周辺からこんこんと湧き出ていた湧水のおかげで、きれいで豊富な水量を有していましたが、周辺環境の都市化に伴って地下水位がどんどん低下、周辺をコンクリートやアスファルトで固めてしまったため、きれいな水の流入が極端に減少してしまい、降った雨水が地中に涵養されず淀み汚れてしまいました。
平成16年10月の台風と長雨により、この「井の頭池」も地下の水位が上昇して、大量の湧水が復活し、約1ヶ月にわたり清水状態となりました。 このことにより如何に空から降ってくる雨水が大事か、自然の雨水が地下で涵養され湧水として復活することが周辺環境、とりわけ市民の憩いの場である井の頭公園を管理するのに大変重要なのかを知らしめるひとつの契機となりました。
この事実を踏まえ井の頭公園の管理者である東京都は、地域の住民、地元の市などと連携して雨水浸透枡の設置など、雨水を涵養させ井の頭池の水質改善に向けた対策にようやく取り組み始めたのです。 |