4月に大学に入学する親戚の子供から法律を勉強するかたわら「タッケン」でも受けてみようと思うのだけれど、アドバイス下さいと相談を受けました。
「宅建」というは略称で正式名称は「宅地建物取引主任者」の免許のことをいいます。 皆さん略称で「タッケン」と呼んでいますが毎年10月中旬に試験が行われるちゃんとした国家資格です。 不動産業の免許を取るためには事務所の従業員5人の内1人は取引主任者がいなければなりません。 独立して不動産業を営もうとする場合取引主任者の資格があれば他に取引主任者を雇う必要がありませんが、会社の規模が大きくなるにつれ6人だと2人以上11人だと3人以上は取引主任者が必要になります。 また不動産業を営む会社や個人経営の不動産屋さんに就職する場合は基本給とは別に取引主任者手当等のプラスアルファが期待できます。 |
書店にはたくさんの宅建の書籍があります
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したがって取引主任者の需要は広い意味で不動産に関連する業界では人気が高いのです。 また受験費用もお手ごろ価格(7,000円)で、試験も他の国家試験と比べて一見簡単?(簡単と勘違いする)というので学生はもとより主婦などにも人気があります。
一般的に試験の合格ラインが50点中35点以上とされており、合格のラインが甘いと錯覚していることにも原因があるのではないかと思います。 しかし試験範囲は「民法等」「法令上の制限」「宅建業法」「その他関連知識」などの50問中35点以上正解で合格!というのが実は曲者です。 1問がマークシート式4択ですから単純に考えて50問×4つ 合計200問中140問を正解できないと合格しないのです。
最初の「民法」等の問題でいきなりつまづいてしまうこともあり、確実に点を取れそうな問題でも前半の難解な問題に時間を使ってしまい、不合格になる確率ガ高まります。
不動産の取引というのは非常に大きな取引のうえに契約などが複雑な場合があります。 ですから問題の範囲も非常に広範囲にわたっており、引掛け問題、難解な問題がかなりあります。
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私の場合は学校に行って試験の合格のためだけの勉強を約半年間やり、あとは試験問題集をかたっぱしからやった記憶がありますが、この業界に入って思うのは「宅地建物取引主任者」という資格は、宅地建物の取引に関する法律に詳しい人に与える免許です。 不動産はどんな物件であれ高額な商品であり、同じものは一つとしてなく、地域、場所によりさまざまな法律の規制があるために不動産業者は宅建取引主任者という専門家を事務所に置いて契約の締結前に取引主任者に不動産取引上「重要な事項について説明」させなければなりません。そのほかにも「重要事項説明書への記名押印」や「契約内容を記した書面への記名押印」をする業務が、宅建主任者だけに許された業務です。そのような大事な資格なので、興味のある方はくれぐれも舐めてかからず根性を入れて勉強することを進めます。決して「タッケン」でも取ってみようか…という甘い考えで試験を受けないよう願いたいものです。
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大原簿記専門学校 立川校
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宅建試験基礎データ 【科目別平均正解率】 抜粋
科目分野
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出題数
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12年 |
13年 |
14年 |
15年 |
16年 |
平均 |
「民法及び権利関係」
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15問 |
47.7% |
54.1% |
66.0% |
66.4% |
53.9% |
57.6% |
「法令上の制限」
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10問 |
47.3% |
59.0% |
69.1% |
57.0% |
51.8% |
56.8% |
「宅地建物取引業法」
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16問 |
58.6% |
68.1% |
67.0% |
68.5% |
73.0% |
67.0% |
「税・その他」
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9問 |
55.7% |
58.2% |
67.5% |
66.4% |
62.5% |
62.1% |
過去のデータからわかるように民法及び権利関係の出題が15問中正解率が57%と非常に低いため民法問題は頑張って半分、もろもろの法律70%の正解率で勉強し、宅建業法はほとんど全問正解する勢いで勉強しないととても試験には受かりませんよ(^^)
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2007.04.20配信 |